独学におすすめする和声の本
和声の本は数多く出版され、教養を深めるもの、基本知識を得るもの、技術を習得するものなど、目的もさまざまです。その中で、基本から応用、さらに高度な和声への橋渡しまで学ぶ本としておすすめするのが『和声―理論と実習―』です。
課題1〜6で和音と連結の基本を身につける
第1巻の課題1〜6は、以後の和声課題を支える小課題です。例題は読みやすいとは限りませんが、必要な内容が正確に書かれています。課題を実施してから例題へ戻ると、課題の意図が分かりやすくなります。
課題1 密集・開離配分の和音を列挙する
上部構成音列を書き、密集配分と開離配分に分けて、低い方から和音を並べます。音域外の音を含む和音、バスとテノールが1オクターブと完全5度を超えて離れる和音を除きます。バスとテノールが同じ音になる和音も見落とさないようにします。
課題2 指定されていない二声を補う
バスと、ソプラノ・アルト・テノールのうち一声が指定されます。どの声部、高音位、配分が指定されても、残る二声を正しく置けるようにします。
課題3 共通音を保留する連結
二つの和音に同じ高さの構成音があるとき、その共通音を同じ声部で保留し、残る声部を左の和音と同じ配分で置きます。密集配分なら密集、開離配分なら開離でそろえます。
課題4 共通音を保留しない連結
共通音がない場合は、バスの動きに反行してソプラノの方向を決め、ほかの声部を最も近い構成音へ進める方法を身につけます。
課題5 Ⅱ→Ⅴの連結
ⅡとⅤには共通音がありますが、ここでは保留せず下行させます。これまでの連結方法に対する例外として覚えます。
課題6 Ⅴ→Ⅵの連結
Ⅴの第3音は導音なので2度上行させ、ほかの声部は最も近い音へ下行させます。この方法を無視すると連続5度・8度が生じやすいため注意します。Ⅵの後は、配分転換やソプラノの跳躍など複数の可能性を試します。
小課題は別冊の解答集に解答が載っていません。規則どおりに和音が作られ、連結されているかを何度も振り返ることが大切です。
課題9〜12で標準的な和声課題へ進む
課題9 基本形の連結(C-dur)
課題9からは、Ⅰの和音で始まり終わる標準的な和声課題になります。課題1〜6が十分に身についていないと、連続5度・8度、並達5度・8度、増音程などの禁則が生じやすくなります。
課題10 C-dur以外の長調
G-dur、D-dur、F-durなどへ進みます。調が変わったときに対応できるよう、音程・音階・調を復習してから取り組みます。
課題11・12 短調
まずc-moll、その後g-moll、d-moll、f-mollなどへ進みます。導音を半音高めること、増音程を作らないことに注意します。
独学を学びにつなげる五つの方法
一つの課題を複数の方法で実施する
開始和音のソプラノを根音・第3音・第5音から始め、密集・開離配分も変えて試します。その中から、正しく連結され、ソプラノが自然に動く実施を選びます。
終結和音を主音で終える
終結和音のソプラノが主音になることを常に確認します。第1巻p.108(4)も参照してください。
別冊の解答集を参考にする
課題9以降には実施例があります。ただし、一つの課題には複数の正しい実施があるため、解答集と異なるだけで誤りとは限りません。
鍵盤で弾き、頭の中でも音を鳴らす
実施した課題を鍵盤で弾いて響きを確認します。その後、音符を見ながら音を思い出す練習を重ねると、やがて音を無理に思い浮かべるのではなく、自然に浮かぶ感覚へつながります。
添削を受ける
小課題は解答集に掲載されていません。また、標準課題にも複数の実施があります。独学で判断しにくい箇所は、和声を習得した人に添削を依頼すると、誤りを残さず次へ進めます。
LESSON
独学で生じた疑問を、答案に沿って整理します
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